素直に射精です←では「偽りの射精」とは何なのか?

少し前にある声優に寄せられた、こんな内容のツィートが話題になりました。


~素直に射精です。最近のすみぺにはどことなく勢いを感じませんでした、しかしながらこの一枚目、一週間ほど前に投稿なさった巫女コスに勝るとも劣らないスケべさ、高貴さ、可愛さを感じ取らずにはいられません。負けました、すみぺ、好きです。~


このツィートを文字通りに解釈すると「声優が投稿した写真が素晴らしく、ソレをオカズとして素直に気持ちよく射精する事が出来た」といった主旨の内容になるかと思います。


「素直に射精です」は、その語感の良さからネットスラングの一つとして定着し、至るところでエロコンテンツに対する賞賛的な意味合いで使用されています。


しかし、ここで疑問が残ります。


「素直に射精」という概念があるのでしたら、当然その対をなす「偽りの射精」があるはずです。


オタクがヲタ人生の中で大きな楽しみの一つである射精を、心や身体を偽ってまで行う理由は一体どこにあるのでしょうか?
また「偽りの射精」という概念を持つのは、果たしてオタクだけなのでしょうか?
ここでは、それを考えていきたいと思います。

 

「偽りの射精」は、フロイト心理学では説明不可能な現象である

精神分析学の創始者として知られるジークムント・フロイトは「全ての悩みはペニスに通じる」と言っても過言ではないほど、人間の精神状態の殆どは性欲に起因すると論じました。


そのフロイトが論じた人間の精神モデルは、大凡

1「人間には生まれついて性欲がある」

2「それを解消する必要がある」

3「解消出来ないとメンヘラになる」

というようなものです。


しかし、この精神モデルでは「偽りの射精」を説明出来ません。


フロイトの説に基づけば、性欲や性衝動が無いのであればソレを解消する必要性はなくなるので、心や身体を偽って射精するなどという精神状態は狂気とすら呼べない異常行動です。


勿論、ある特殊な環境下において男性には合理的に「偽りの射精」を必要とされる時はあります。


例えば妊活、夫婦のコミュニュケーション、AVの撮影などのケースは、男性自身の性欲に起因する意思とは無関係に射精が要求される環境と言えるでしょう。


しかし、私は同人活動その他における追徴課税を納付するために風俗で一年ほど働いていますが、そこで少なからず「わざわざ性欲を高める男性の存在」を目の当たりにしました。


風俗は一般的に「男性が性欲を解消するために高い金を払う場所」といったていで語られますが、しかし数少なくない男性が「わざわざ性欲を高め、それを高い金を払ってまで発散する」という現実があるのです。


またネットでも、恋人のいない男性の間で「精力がつくエビオス錠を飲んで性欲を高める(そしてオナニーする)」という行動がしばしば観測されます。


こういった事例から、私は男性において性欲は解消対象というだけでなく「時に自ら作り出してでも必要になるという側面を持つもの」であると結論します。


(因みにフロイトの「全ての悩みはペニスに通じる」という極論は数多くの反論がなされています。例えば「いやいや、人の精神状態を決めるのは対人関係である」と反論したのが「嫌われる勇気」で知られるアルフレッド・アドラーです)

男性が性欲を必要とする理由

射精やペニスへの刺激は快楽を伴います。
そして快楽は精液量に比例し、精液量は性欲の強さに結びつきます。


そのため男性は「性欲を快楽追求のために高める」ことをしますが、単純に快楽や刺激追求でしたらオナホールやAV等で満たせるはずです。(オナホールのほうが実際の膣よりペニスの快楽を得られるとすら言われてます)


この「快楽追求」は性欲を高める説明の一つではありますが、これだけでは高い金を払って風俗に行ったり、頭と股の緩そうなメンヘラとオフパコしようとしたり、下手な鉄砲数撃てば当たるでナンパする男性の行動原理を完全に説明することは出来ません。


彼等は一体何故、こうした非合理的な形で性欲を発散しようとするのでしょうか?


これは一般的に呼ばれる男性の性欲が、実は生物個体としての本能の他に、社会的意識による理性によって構成されているからに他らないからです。


例えば男性から女性への性暴力は殆どが「知り合い」相手に「計画的」に行われるものであり、その背景には性欲よりも相手を「支配したい」「優越感を得たい」などの欲求が見られます。


つまり男性の性欲は、ある種社会的意識の充足に不可欠なものなのです。

射精の快楽自体は性欲を解消しない

恐らく多くの男性は無自覚ですが、射精は単に性欲and/or快感だけではなく「自信」にも結び付きます。

これを端的に表現したのが北方謙三の「うじうじ悩むな、小僧ども。ソープに行け!」です。


しかし、私は何人か童貞の方を相手にしたことがありますが、そういった方々が「俺の満たされぬ性欲は解消されたぞ!俺、今超幸せ!」となるケースは皆無です。


私の魅力不足という面も考えられますが、とりあえず単純なペニス及び性感帯への刺激技術に関しては一般的な女性より技量and経験は上のはずです。
それでも童貞に限らず、風俗客全体の傾向として一般的な性交で得られる以上の性的快楽を経て射精に至っても、性欲が解消されることは非常に稀です。


彼等が性欲の発露に求めるのは肉体的な「快楽」だけではないのです。


その証拠…というわけでは、ありませんが皆さんは「(水商売ではない)女と性交することに成功した瞬間、何故か自信満々に性愛を語り出す元童貞」に心当たりはありませんか?

 (因みに女オタクの間では「彼氏が出来た瞬間、彼氏のいない女ヲタ仲間にウエメセでダメ出しや説教するイキりオタク女」を頻繁に目にすることが出来ます)

 

彼等の自信は間違いなく「肉体的快楽を得た」という性交体験ではなく「自らがアプロ―チした女性に受け入れられた」という成功体験から来ています。


この観点からすると、むしろ快楽追求としての性欲はあくまで「従」であり、主は「男性としての自信を得たい」という性欲であるとすら言えるかもしれません。


性欲は単純に射精による快楽にのみで構成されるものではないからこそ、金を払うことで女性に対する何らかのアプローチ飛ばし、性交に伴う快楽を得ても男性の性欲は満たされることがないのです。


また私の観測する範囲では、生活圏において女性と性交する機会のない風俗客ほど「オナ禁」や「精力剤」等で、わざわざ精液を溜める=性欲上昇による苦しい思いをし、そして風俗で性欲を故意に高めた「偽りの射精」をする傾向があります。


コレは恐らく「自らがアプロ―チした女性に受け入れられたい」という性欲を満たせないからこそ、精液を溜める=肉体面の快楽追求でそれを補おうとしているのではないか?と推測しています。

「偽りの射精」をする理由

こうした現象を省みて、私は男性の脳は性愛を処理する三つのシステムがあると思ってます。


まずは快楽追求=射精に伴う快楽を得たいとする「衝動」が女性全般へのドライブとなり、次に特定の相手に受け入れられたいand/or受け入れたいとする「魅了」がパートナーを選定し、最終的に「愛着心」がパートナーとの関係を長続きさせるのではないか?と推測してます。


フリードリヒ・エンゲルスは「原始時代の社会は、人類は男女で特定のパートナーを設けず、不特定多数の異性を相手に性交する水龍敬ランド(乱婚制度)であった」と述べていますが、現在の文化人類学においては「どんな未開社会を観察しても水龍敬ランドはないこと」「考古学的に発掘される遺跡は家族を単位としてること」「猿社会においても水龍敬ランドは少ないこと(チンパンジーとボノボぐらい)」「進化論的には性的二形が明瞭ではないこと」を理由に否定されています。


今の文化人類学では、人類は普遍的に一夫一妻制か一夫多妻制による家族制度を持っていたというのが定説です。


こういった背景を踏まえても、男性にとって「魅了」は性欲のかなりの部分を占める欲求であるという事が出来ます。


そのため男性にとって社会的and本能的に、素直に射精するためには「女性に受け入れられたand/or受け入れた」という成功体験は不可欠なものと思われます。
(性暴力ですら、単純な快楽追求のための射精ではなく「女性に受け入れられたand/or受け入れた」に代わる「支配欲and/or優越願望」によって引き起こされるのですから)


また逆説的に、その成功体験を得るにはモチベーション源として「射精による快楽追求衝動」も必要です。


それ故に男性は時に、快楽追求衝動のみによる性欲の解消を試みて、また性交に至る成功体験を得るのに射精衝動が必要なので、心や身体を偽ってまで射精を行おうとするのです。


偽りの射精をする理由、それは射精が持つ「快楽追求の衝動として」の性欲と「射精体験を通じ男性としての自信を持ちたい」という性欲の二面性によって引き起こされるのである…と私は結論します。

ナニが独身男性をコスプレイヤーや地下ドルに向かわせるのか?

皆さんは「ドルヲタ」や「カメラ小僧(以下カメコ)」という言葉に対して、どういうイメージを持ってますか?

恐らく「若い女の子が売り出している恋愛幻想を必死に求める、ちょっとアレな非モテ成人男性」というネガティブなイメージがあるかと思います。


しかし、これは本当に正しいのでしょうか?


彼等は当事者であり、誰よりもコスプレイヤーand/or地下ドルに詳しいのにガチで「俺達が感じてる可能性は幻想であり、決して成就することはない」ということを理解してないのでしょうか?
(一部のややこしい事情に関しては、ここでは触れません)


これについて、よく語られるのが「ガチ恋」という概念です。

「ガチ恋」を迷惑と言いつつ、それに依っているアイドル市場

ガチ恋とは「ガチな恋愛感情」の略語ですが、その名称に反して肯定的なニュアンスでは決して語られません。


「アイドルに関して、真剣な恋愛感情を抱き、それをモチベーションにしてファン活動に異様なまでに熱中し、時には違法な手段で私的領域に入り込もうとする」という謂わば「危険人物」の事を指すスラングとして使われます。


今のアイドル市場は「アイドルは偶像で、みんなのものです」を建前にしつつ、交流握手撮影会等でファン一人一人に対し個人的関係性を売りつける、ある種不誠実な二枚舌営業によって成り立っており、集金構造そのものが「ファンに恋愛幻想を持たせる」仕組みになっています。


「アイドルは偶像」と割り切ってるファンは大して金を落としません。

 

アイドルに大金を溶かすのは多少なりとも「ガチ恋」の要素を持ったファンだけなのです。


そのためアイドル市場は「アイドルは偶像でみんなのもの」と言いつつ、アイドルとファンを積極的に接触させ、個人的関係性…恋愛幻想をも切り売りし、ファンを「ガチ恋」に落とし込むように設計されています。


そしてこのような構造のまま、ファンと偶像(という建前の存在)の距離を更に近づけているのが地下ドルやコスプレイヤー市場と言えます。

彼等を動かすのは本当に「性愛要求」なのか?

しかしながら、彼等の行動原理やモチベーションは「恋愛幻想を求めてる」だけでは決して無いと、国税局(税務署ではない)に目を付けられる程度には人気のコスプレイヤーとして断言します。


当然ですが、ファン達の間には地下ドルやコスプレイヤーを中心としたコミュニティが築かれます。


狭く閉鎖的なコミュニティですが、それ故にそこでは特殊な価値観が生まれます。
具体的に言えば、ファン活動に入れ込めば入れ込むほど「偉い」「素晴らしい」「序列が高い」とするような価値観であり、ファン活動への熱中自体が「魅力的なコンテンツ」として成立するのです


これはネット上のメンヘラが「如何に自分はダメであるか?」をステータスにするのと同じような現象であると言えます。


彼等は同じような境遇の方を集めたコミュニティにおいて、如何に自分が「魅力的and/or刺激的コンテンツ」であるかを競い合うのです。

 それは一見特殊ながら、小学校や会社等で作られるコミュニティと本質的な変わりはありません。


そこにあるのは、どこまでもただの対人関係に過ぎないのです。


そして何故、彼等はこうした「ファン活動」に熱中するか?というと、それ以外の人間関係が希薄だからではないか?という部分が見えてきます。


彼等は恋愛幻想…「性愛」だけでなく、それ以外の対人関係をもファン活動に求めているのです。

ファンを熱中させるモノ

失礼を承知で書きますが、非モテ独身男性に欠けているのは「恋人」だけではありません。


(私が観測する範囲では)非モテ独身男性は「性愛」だけでなく、その多くが友人や仲間や(半ば必然的に)父親と子といった関係性からも疎外されてます。


宇都宮健児は、こうした対人関係から疎外された人間を称して「関係性の貧困」と呼びましたが、彼等はこの自らに欠けた関係性を求めてファン活動に熱中しているのではないか?と私は思っています。


彼等が地下ドルand/orコスプレイヤーに対して向けるのは「性愛」だけでなく、ある種の同族意識や庇護欲、そして父性をも向けている、というのが私の持論です。


特に高齢独身男性は「娘がいればこれぐらい」という齢の地下ドルand/orコスプレイヤーに入れ込むケースが多く、そこには「性愛」よりも「父性」が見て取れます。


イベントや会場に足を運べば、仲間や友人が待っており「連帯感」や「友情」や「所属」を確認しつつ、地下ドルやコスプレイヤーに性愛庇護父性等を発露し、SNSでソレを報告して承認を得る…恐らく彼等はこうやって自身の関係性の貧困を埋めているのです。

満たせぬ関係性の貧困が行き着く先

これも私の観測範囲で恐縮ですが、ドルヲタもカメコも他に自身が受け入れて貰えるコミュニティがある方は、そこまでファン活動に熱中しません。


勿論、これは単純に「自身のリソースを一極集中出来ない」という話でもありますが、同時に「他にリソースの消費先が無い故に、一つのことに過剰にリソースを消費してしまう」という話でもあります。


ファン活動という一つの関係性しか持たないからこそ、それが全てになってしまい、時に私生活を犠牲にしたり、時にファン活動で得られる関係性の一歩先を求めて「ガチ恋」になってしまうという悲劇が起こるのです。


そして「ガチ恋」勢の中でも過激な方、違法に手を染めてでも私的領域に踏み込もうとする方にはある一つの傾向があります。


それはファンコミュニティの中で浮いており、ファン活動においても関係性から疎外されている方です。


他の関係性がないからこそ、ファン活動においても地下ドルand/orコスプレイヤーに対する関係性に、自身の感情的なモノを一極集中し、それ故に対象を自身が欠けている関係性の全て埋めてくれるが如き存在であると過度に神格化し、ついには…という感じです。

 

他に関係性を得られる場所や、自身のリソースを割く先がないが故に、対象に過剰なまでに極端なモノを抱いてしまう…といった印象があります。

 

結び

私は「ナニが独身男性をコスプレイヤーや地下ドルに向かわせるのか?」という命題には、卵か先か鶏が先か?という話になりますが、こう答えます。


地下ドルand/orコスプレイヤー市場は、ある種の関係性に飢えてる方を落とし込む構造であり、同時に個人的関係性を売り込み幻想を持たせる構造でもあるから


その中でも「性愛」という関係性は「オタクは普段女性と接する機会が無く、ましてや好意的に触れ合える女性の存在は生活圏には皆無である。そのため、地下ドルand/orコスプレイヤー等に少し好意的に接触されるだけで容易にコロッといってしまう」的な説明が直観的に理解しやすいので、そこばかりがピックアップされがちです。


しかし、「ガチ恋」と呼ばれるほどファン活動に熱中する彼等を動かすモノを「性愛要求」のみで説明することは不可能です


地下ドルand/orコスプレイヤーのファン活動は、仲間や友人といった関係性を得られるのは当然として、通常他の趣味では得にくい「性愛」や「承認」だけではなく、「庇護欲」や「父性」といった特殊な関係性をも得られます。


繰り返しますが、恋人や配偶者のいない非モテと呼ばれる独身男性が疎外されている関係性は「性愛」だけではありません


そして地下ドルやコスプレイヤー市場の「偶像でみんなのものである」と言いつつ、実際はファン交流等と称して個人的関係性を切り売りする二枚舌構造は、明らかに関係性の貧困に陥ってる方を落とし込むような仕組みであることは否定出来ません。


ガチ恋と称される方の発する「アイドルとの可能性が無い事は分かってる!」という言葉は(本人は多少なりとも可能性を感じているであろうという側面はありますが)実際その通りであり、だからこそ「性愛」以外の関係性をも求めてる証とも言えます。


良くも悪くも地下ドルやコスプレイヤーのファン活動は、(それが幻想であれ…)容易に非モテ独身男性が疎外されている「関係性」を得られる場なのです。

 

蛇足:「ねほりんぱほりん」で放送された「地下アイドル」に関して

 

 

 現在ドルヲタの間では、あの番組は「地下」の更に下の「地底アイドル」の事例を脚色して放送した…という解釈が主流のようです。

蛇足2:「恋愛幻想」って言うけど実際、あんなことやこんなことが!

私もそれについて書きたいのですが一般化出来るほどサンプリング数がなく、事例をあげて説明すると確実に個人叩きに…。
とりあえず一般化出来る程度の傾向をあげると「容姿がいい」のみで人生を乗り切ろうとするのは、実際に容姿がよく人生が上手く行ってる子ではなく、それを指を咥えて羨ましがっていた子であり、更に「幻想と現実に対する折り合いをつけられずに成長する」ようなアレな子であるということです。

蛇足3:「関係性の貧困」という言葉に関して

「関係性の貧困」というワードは、創作実話や秋葉原に対するデマで有名な某女史も好んで使っているようですが、私が影響されたのは某女史ではなく「宇都宮健児」ですし、そもそも「関係性の貧困」という言葉及び概念は宇都宮健児が開発したものです。

 

水商売とマイナンバーの噂について「副業がバレる!?」「税金がかかる!?」など

一時期「マイナンバーで金の流れが丸裸に!」「副業で水商売やってることが会社にバレる!」「風俗店にマイナンバーって必要なの!」「税金をとられるようになる!」みたいな事が騒がれました。


そして散々騒がれた末に「住民税を普通徴収で~」「マイナンバーを提出する必要はない」「国は黙認(陰謀論)」的な、分かったような分からないようなフンワリした結論の記事の粗製乱造されました。


こうした記事がふんわりした結論にならざるを得ないのは、ただ一つ自称有識者が水商売や性風俗産業に遠慮して、この事実をハッキリ言えないからに他なりません。

それは…

 

副業バレも税金も、そもそもマイナンバーとは別次元の話である!

マイナンバーはあくまで行政効率化の話であり、それによって新たな税金が発生したり、新たに何かが記録されるわけでありません。


マイナンバー制度が成立する以前から、金の流れは丸裸であり、脱税してたり住民税を普通徴収にせず副業で水商売やってる方は会社にバレることがあります。


要するにコレは「マイナンバーで脱税してるのがバレちゃうよ」というだけの話であり、税金だの社会制度だのといった事とは全くの別問題です。


例えるなら、今までコンビニの万引きで生活してた方が「防犯カメラをつけられたら、今まで通り万引き出来なくなってしまう!」と騒いでるようなものです。


では、マイナンバーで何故「脱税がバレる」と言われているのでしょうか?
それについては、こんな説明がよくなされます。

 

マイナンバーを役所に提出するから脱税が云々…は半分本当、半分嘘

「企業は誰に幾ら払ったかを税務署に提出する義務があり、この提出する書類を『法定調書』というんだけど、それにマイナンバーを記すようになるから税務署は金の流れが分かるようになるんだ」
このような説明は、半分本当、半分嘘…というより説明不足です。


そもそも法定調書には個人を特定出来るような情報を記載することが求められますので、マイナンバーなんぞなくても金の流れは丸裸であり、脱税もバレます。


そして当然ですが、マイナンバー制度を始めたから法定調書を提出する義務が出来たわけではありません。
マイナンバー制度が始まるずっと前から、法定調書を提出する義務はあります。


では、何故水商売でマイナンバーが騒がれるのでしょうか?


これを「副業バレも税金も、そもそもマイナンバーとは別次元の話である!」という点を踏まえたうえで説明していきます。

 

理由1・法定調書の誤魔化しが効かなくなる

キャバクラで多い手法ですが、法定調書に存在しない人の名前と住所を書き、それにより税務署を惑わせキャバ嬢の脱税を誤魔化すというやり方があります。


これがマイナンバー導入前は、国税はいちいち基本四情報と呼ばれる「名前」「性別」「住所」「生年月日」を確認して、市役所等に問い合わせコレを確認する必要があったのですが、この確認作業がマイナンバーでスムーズに行えるようになります。


国民一人一人に振られたユニークなIDであるマイナンバーを参照することで、法定調書に記載された方の実在を調べることが容易になり、また「名前」「性別」「住所」「生年月日」等から逆引き的にマイナンバーを(住基ネットワーク等から)探すことで、書類上にしか存在しない方の炙り出しも容易になります。

マイナンバーを提出しなければ、行政機関はその人のマイナンバーが分からない!と誤解してる人がいますが、行政機関はマイナンバーを付番した自治体や管理するネットワーク、マイナンバーとセットになった情報等を参照することで、容易に逆引きが可能です。マイナンバー提出拒否は、行政機関の最初の照合が少し手間になる程度で全く意味はありません。


要するに法定調書にデタラメな人物を記載したら、すぐに発覚するような仕組みになるのです。


これにより店が本人に報酬を払いつつ、書類上は別人として税務署に報告する不正が「発覚しやすく」なります。(今までも全く発覚しなかったわけではないです)


(また大村大次郎や細名高司によるとキャバクラは「キャバ嬢には源泉徴収したといって報酬を幾らか引き、その金は俺のポケットに…」的な不正もよく行われるようです)

 

理由2・マイナンバーで様々な記録の照合がスムーズになる

これまでは国税ですら全国で統一された個人の番号等は存在せず(納税者番号は別)、各行政機関は個人にバラバラの番号をつけていました。


そのため従来の個人情報は国税職員は「名前」「性別」「住所」「生年月日」の基本四情報で照合かけざるを得ず、国税職員もいちいち調べたい人の基本四情報を引っ張りだしては、各地の税務署に照合をかけたり、市役所に電話して個人情報を確認したりしてました。


しかしマイナンバーを各行政機関の個人の番号に紐つけることにより、そんな大変な作業がある程度自動化され、各行政機関が所有してる個人情報の照合がスムーズになり、脱税等の不正が浮かび上がりやすくなります。


実は上記で説明した法定調書に限らず、日本国には金の流れを記録させる制度が無数にあり、例えばコンビニ収納は資金決済法で、古物売買は古物営業法で、怪しい奴との取引は犯罪収益移転防止法で…みたいな感じで金の流れを記録することを課しているのです。


そういった各行政機関が持ってる金の流れの記録と、個人の申告所得を照合すれば、例え店が税務署に提出する法定調書がいい加減でも「こいつ所得無いはずなのに、ソシャゲ廃人だ!」みたいな状況が浮かび上がります。


こういった照合作業を各行政機関が個人に振ってる番号同士を結び付けやすくして、スムーズに行えるようにしよう!という仕組みがマイナンバーになのです。


またマイナンバーは各行政機関が既に個人に振ってる番号同士を結び付けやすくするシステムですので、過去の脱税等も当然浮かび上がりやすくなります
(そもそもマイナンバーで新しく何かが記録されるわけではありません)

(またマイナンバー施行前の過去の脱税分も、当然追加徴税されます。何度も言いますが、マイナンバー制度と税制自体は全くの無関係です

 

理由3・店の脱税も明らかになる

一時期「風俗嬢はマイナンバーを風俗店に提出する必要があるか?」が少し話題になりました。


2016年6月13日に東京国税局西村さんに話を問い合わせたところ「所得税法204条1項第6号により源泉徴収が必要である」とハッキリ言われましたが、そもそも風俗店はそれ以前に


店自体が「国税に確定申告もしてなければ、開業届けも出してない」というパターンが多く、「法定調書?何のこっちゃ?」という風俗店も珍しくはないです。


マイナンバーや源泉徴収以前に、単純に税制自体を理解してない(名ばかり)経営者はウヨウヨ…過半数はいます。
上記は正確な統計をとったわけでも資料があるわけでもありませんが、現役嬢として確信を持って断言します。
(余談ですが、風俗店やキャバクラは通達204-3により客から貰ったプレゼントやチップ、裏オプ代等も源泉徴収の必要があるとのことです)


しかし理由2にある通り、マイナンバーで店の光熱費や通信費は誰名義で払っているのか?から始まり、経営者自身…引いては店の脱税も発覚しやすくなります。

(風俗嬢の脱税摘発→店の脱税発覚という事も充分に有り得ます)


また税務署に事業開始届を出した法人(法人とありますが、法人化してないものの、法人税を払う必要のある団体も同様です)は「法人番号」が振られますので、これと風営法による公安委員会の届出と照合すれば無申告の風俗店は丸わかりです。
(というか既に分かっているが、単にマンパワー不足で全部は摘発出来ないだけと思っています)


マイナンバーにより、こういう雑な店はより摘発される危険性が高まったと言えますし、摘発されれば当然そこで働く風俗嬢に幾ら払ったか?を店は国税に洗いざらい話して、資料を提出することになります。


*因みに法人番号がある店は、少なくとも無申告(国税に収益を全く報告してない)ということは無いと思いますので、店選びの参考材料の一つにはなるかと…。

で、水商売やってる人はどうすればいいの?

ちゃんと修正申告し、今までの脱税分を清算しましょう…以外の結論はないです。

脱税がバレた場合は延滞税というTUTAYAの延滞金のように、税金を払わなかった日数に応じて課せられる税金と、無申告加算税という本来払うはずだった税金の20%がペナルテティとして課せられ、更に「正確な申告漏れ金額が分かる資料がない」場合、推計課税という「正確な金額が分からない場合に、脱税ヤリ得にならないよう税務職員の判断で高めに申告漏れ所得を推計し、それに課税する」恐ろしい手段がとられる場合もあります。

 

しかし長々と書きましたが、結局マイナンバーは「今までも個人の金の流れは調査出来たけど、それが凄く楽になる」以上のモノではありません。


税制調査会国税審議会で何度も指摘されてますが、国税は「マンパワー不足により、脱税が明らかである全ての個人and法人の調査は行えない」というのが現状です。

この苦境がマイナンバーにより幾分か緩和されるのは確かなことですが、それでも「よっしゃー!これで全ての個人and法人の税務調査に回れるぜ!」となる事はないと思います。


また国税は同じく税務調査権限を持つ自治体にも、マイナンバーを通じて国税総合管理システムの情報を提供しますが、税務調査ノウハウのない&国税同様マンパワー不足の自治体が何処まで出来るか不明です。


これらの状況から考えて、確かに摘発率は上がるけど「摘発されなければ」感覚and/or理解不足で無申告を続ける店は多いんじゃないか?と予想してます。


そのため店は変な根拠を盾に風俗嬢に「確定申告必要ないよ!」と言うでしょうし、コレを読んで「よし!確定申告するぞ!」と決意した嬢も9割も、それを聞いて「やっぱ大丈夫じゃん」となってるような気がしなくも…。


とりあえず、最後に住民税から副業がバレるのを防ぐ方法を記して終わります。

 

これまで税金を払ってこなかった方は今すぐ税務署に行き修正申告をして下さい。


修正申告書B第一表にの右下に「給与・公的年金等に係る所得以外の所得に係る住民税の徴収方法の選択」という項目があります。

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この項目には「給与から差引き」と「自分で納付」の2通りのチェックがありますので「自分で納付」を○しましょう。
そうすれば、風俗の報酬は給与所得ではなく事業所得なので、副業の住民税の請求書は自宅に届きます。

 

何度も言いますが確定申告ではありません、修正申告です。
マイナンバーを契機に足を洗った方も過去に5年間税金を払ってない期間がありましたら、その期間を正直に申告し修正しましょう。


またここまでやっても市役所によっては会社に有難迷惑で住民税の通知を会社に送るさいに、通知書に会社以外所得をうけてるみねを記載する場合があるので、市役所にいきそれを確認し、場合によっては止めて貰いましょう。

風俗ってそもそも違法(売春)なの?「グレーゾーン」や「自由恋愛云々」の嘘

前回の記事について、はてなブックマークを見る限り「風俗は違法だから確定申告出来ない」的に理解した方が多々見受けられます。


実際に性風俗については「国は性風俗(売春)を認めていないため、風俗(ソープ)は表向きは偶然同じ部屋にいた男女が自由恋愛で性交に至っただけとされてる」という俗説があり、故に違法でも合法でもない「グレーゾーン」と説明する方が多いです。


しかし「グレーゾーン」にも関わらず性風俗産業従事者が度々警察から摘発されてニュースになったり、警察24時で警察の風俗店突入の様子が流れてたりしてます。
これについて「警察は風俗を黙認しているものの、見せしめのため半ばアリバイ工作的に風俗店を摘発してる」とも説明されますが、これには法律と判例上の嘘と「売春」という言葉の多面性からくる誤解があります。
まず最初にそもそも…

 

国は性風俗について法律で規定し、職業として認めてる

風俗嬢は風営法で国から認められた職業です。
別にそれ自体には如何なる違法性も存在しません。
具体的には「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律 第二条」により


・ヘルス嬢…個室を設け、当該個室において異性の客の性的好奇心に応じてその客に接触する役務
・ソープ嬢…浴場業(公衆浴場法 (昭和二十三年法律第百三十九号)第一条第一項 に規定する公衆浴場を業として経営することをいう。)の施設として個室を設け、当該個室において異性の客に接触する役務
・デリヘル嬢…人の住居又は人の宿泊の用に供する施設において異性の客の性的好奇心に応じてその客に接触する役務


と「性的好奇心」の文字から分かる通り、風俗嬢はそういう性的なサービスを行う者として国から定義づけられています。
性風俗店及び、風俗嬢の存在自体は「グレーゾーン」でも何でもないのです。

また風俗…特にソープの仕組みは「表向きは偶然同じ部屋にいた男女が自由恋愛で性交に至っただけとされてる」…故に売春にならないのだ!と説明されることが多いですが、

「自由恋愛云々」は何の根拠もないどころか…

最高裁にて否定されています。

 この判例を高裁判決も含めてかみ砕いて説明すると「(ソープが)性交を金銭を介して行う場所であることは事実上明らかである。故に自由恋愛だから本当に性交するか分からなかった、などという言い訳は通用せず、被告人が売春の手助けをした事は否定しようがない」と言うことです。


ここで風営法によるソープ嬢の定義をもう一度見てみます。

 

・浴場業(公衆浴場法 (昭和二十三年法律第百三十九号)第一条第一項 に規定する公衆浴場を業として経営することをいう。)の施設として個室を設け、当該個室において異性の客に接触する役務


つまりソープ嬢は「客に対して接触することは許されても、性交することは許されていない」という扱いです。

故にソープ及びソープ嬢は、存在自体は適法ですが「自由恋愛という名目であれ性交すること自体」は許されておらず、そこで性交が行われれば売春防止法違反となります。


ではソープは表向きはどういう扱いかということについては、2013年5月27日における橋本徹氏の「飛田新地」に対する言説を参考にして下さい。

 

記者「名称は『料理組合』かも知れないが、飛田は、お店の2階に上がってお金を払えば買春できることは、大阪のちょっとませた中学生なら誰でも知っている。中学生が聞いて、『橋下さん、うそついてはるわ!』と思うような詭弁(きべん)を弄してひとりの政治家として恥ずかしくないのか」
橋本徹違法なことがあれば、捜査機関が行って逮捕されます。以上です

 

違法なこと(性交=売春)が行われてる証拠があれば、警察は表向きが自由恋愛であろうと摘発出来ますし、実際にしています。


じゃあその気になれば、全ソープを摘発出来るんじゃないか?ということになりますが、売春が行われていることの立証条件には「実際に性交が行われている」「店がそういう状況を作成、もしくは認知したうえで放置している」「金銭の介在がある」の3点がありますので、わりと立件に要する時間が長いようです。


逆にこの3点さえ満たせばヘルス嬢は勿論、交際クラブやキャバクラも摘発出来ますし、実際にそのような判例があります。


またここでは「売春」を売春防止法の定義における「膣に陰茎を挿入する行為」として説明していますが、「売春」にはもう一つ性風俗産業で問題となる「職業安定法」で定義される意味があります。

 

「売春」の定義は「売春防止法」と「職業安定法」で異なる

少し前にAV制作会社マークスの社長が「労働者派遣法違反容疑」で逮捕されました。
労働者派遣法には


第五十八条
公衆衛生又は公衆道徳上有害な業務に就かせる目的で労働者派遣をした者は、一年以上十年以下の懲役又は二十万円以上三百万円以下の罰金に処する。


とする条文があり、またこの条文は「職業安定法」による


第六十三条  次の各号のいずれかに該当する者は、これを一年以上十年以下の懲役又は二十万円以上三百万円以下の罰金に処する。
二  公衆衛生又は公衆道徳上有害な業務に就かせる目的で、職業紹介、労働者の募集若しくは労働者の供給を行つた者又はこれらに従事した者


から来ています。


性風俗産業が「公衆衛生又は公衆道徳上有害な業務」にあたるかについては、既に幾つも判例があり「口淫などの性交類似行為は売春と同義であり公衆道徳上有害な業務」と結論づけられています。
これによりAV女優を撮影現場に派遣する行為や、女をヘルス等に紹介するスカウトは「(職業安定法上の)売春させた」扱いとなり、ニュース等でもそのように書かれるというわけです。


ここがヤヤコシイのですが、「口淫などの性交類似行為」はあくまで「職業安定法上は売春と同様の有害業務」とされているのであり、当然売春防止法上のソレとは違いますし、「口淫などの性交類似行為」自体は風営法により「異性の客の性的好奇心に応じてその客に接触する役務」として認められています。

 

グレーゾーンや自由恋愛なる風説が蔓延する背景

このように性風俗産業において違法と合法の線引きは明確にされています。

ざっくりまとめれば、


性的サービスはOK、ちゃんと職業として認めるよ。でも膣に陰茎を挿れさせるサービスは売春になるからダメ、自由恋愛とか関係ない。あと性風俗産業への紹介はダメ。例え膣に陰茎は挿れなくても、性的サービス自体は有害業務だから

 

と言うことになります。


それなのに何故「性風俗産業はグレーゾーン」「風俗(ソープ)は自由恋愛」等の言説がまかり通っているかと言えば「現在の性風俗産業は様々な違法行為のうえに成り立っているから」ということに尽きます。


例えば、税法について前回の記事で取り上げましたが風俗店及び風俗嬢の殆どは脱税してますし、上記のように「売春」はソープのみならずヘルス等でも行われていますし、繁華街には「職業安定法上は売春と同様の有害業務」を紹介してくるスカウトがワラワラいます。


こうした違法行為に手を染めてる方々に「きちんと遵法意識を持て!」と言ったら、性風俗産業は途端に崩壊してしまいます。
ソープでは膣に陰茎を挿れることが出来なくなり、ヘルスの裏オプは無くなり、風俗嬢の確定申告により店の脱税情況が丸裸になり、スカウトは全員刑務所行きです。


こうした違法行為の上に成り立ってるからこそ、性風俗産業は「我々のやってることはグレーゾーン。だから店はスカウト使っていいし、風俗嬢は売春してもいいし税金払わなくてもいい。グレーゾンだから警察も国税も黙認してるんだよ…時々見せしめで摘発してくるけど」と説明するしかないのです。


現在の性風俗産業の歪さは、こうした性風俗産業従事者の「無知」を前提に触法行為をさせるという構造にあります。
何故、こうした構造を是正しないのかと言いますと、単純に上の方が「ソッチのほうが好き勝手出来るし、儲かるから」という理由に尽きます。


現在の性風俗産業は「法律や制度は整備されているのに、それを守らない」という状態であり、そもそも産業として成り立ってない状況であり、それ故に「グレーゾーン」と言い続けなければならないのです。

 

別に私は性風俗産業そのものを否定したいわけではありません。

しかし、客観的に見て「性風俗産業はクリーンだから、困ったら働きにおいでよ」とはとても言えない程に性風俗産業は産業構造そのものが超絶ブラックであり、そこが是正されない限り従事者が幸せになれることはまずないと思っています。

風俗で働いてはいけない本当の理由

風俗で働いてはいけない理由として、自称有識者は「金銭感覚が狂う」「貞操観念が狂う」「まともな男女論理を破壊される」「アレな客や従業員による不測の事態に陥る」「性病の危険性」等をあげますが、ハッキリ申し上げるとソレらの問題は枝葉末節の話に過ぎません。


風俗で働いてはいけない理由は、ただ一つ「そもそも産業として成り立ってない」という点につきます。


具体的には、職業安定法、税法、売春防止法の3つをクリアーした店and/or個人は極端に少なく、税法だけとってみても2013年東京国税局調査で不正発見率87%という実態が明らかになってます。
誤解を恐れずに言えば性風俗産業は「違法な行為をすることを前提にした商売」です。
これに対しては「グレーゾーン」「国は見逃してる」等の反論が寄せられますが、実情は「黒と白はハッキリ線引きされており、国は違法行為を見逃さず摘発している」に尽きます。


ここでは、とりあえず一番風俗嬢にダメージが来るであろう税法について書いていきます。(職業安定法売春防止法についても機会があれば…)

 

「風俗をやると金銭感覚狂うよ」の本当と嘘

風俗は最初こそハードルは高いが、1度体を売ってお金を手にしてしまえば「こんなことでこんなに大金が稼げるの?」という感覚に陥ります。
そして身体を売る事がどんどん平気になり、それと同時に感覚が鈍っていきます。
時給○万円が当たり前になり、週5日拘束されても1日の給料にも満たない普通の仕事が馬鹿らしくなり耐えられなくなるのです。


…的な事がよく言われ、実際この通りなのですがコレには一つにして致命的な見逃しがあります。


それは「その金は、違法なことをしてるからこその大金」という点です。

違法とは身体売る事ではありません、税金を払わない(確定申告をしない)ことです。

 

2013年東京国税局の風俗嬢の追徴課税額平均から逆算すると、風俗嬢の平均月収は30~40万ほどです。

(これは恐らく専業にしてない方や学生等も含めた平均ですので、中央値はもう少し高くなる気がします…現役嬢の実感としては)

またGAPの角間惇一郎は風俗嬢の平均月収を約30-40万円と見積もっています。

これを「可処分所得年480万」とすると破格の大金と言えなくもないですが、キッチリ税金を払った場合の可処分所得は340万円(白色申告)ほどです。


この金額には福利厚生がつかない事や、将来のキャリアに結びつかないことを考えると、明らかに割に合わない職種と言えます。

 

つまり風俗で働くと「実は全然儲かってないのに大金稼いでる気になって金銭感覚が狂ったあげく、追徴課税(脱税に対するペナルティ)で貧乏になる」という事態に陥りかねません。


そして、上記の通り職業としてみた場合「勤務時間の融通が効く」「技量次第では若くても(若いから?)稼げる可能性がある」以外の魅力は皆無です


しかし、風俗嬢で税金を払ってる方は少ないように思えますし、事実東京国税局の調査でも9割近くから申告漏れが見つかったとの報告があります。


この風俗における税金については「風俗嬢は税金払わなくても大丈夫!」的な主張する方がおり、そういった方がよく根拠にあげるのが次の3点です。

・国は敢えて見逃しているから課税出来ない

むしろ風俗ないしキャバレーは申告漏れ金額上位職種として、国税にマークされてます。

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因みにコレを言うと「それはあくまで見せしめである」的な反論をよく受けますが、それが事実としても次に貴方が見せしめにならない理由は何処にもありません。
(また上記の表は事業所得…つまりキャバ・風俗嬢の表ですが、当然風俗店自体も法人税の申告漏れ金額上位業種としてマークされています)

(またこの金額は1年の脱税額ではなく、最大過去7年遡って出した申告漏れ金額の総計です。国税に目をつけられるぐらいの風俗嬢でも、この程度しか稼げないのが現実です)

 

・正確な金額が分からないから課税出来ない

風俗は現金商売であり、店の金銭管理もガバガバですし、そもそも風俗嬢の出勤は不定期ですし、店をコロコロ変えることも多いので正確な収入を把握するのは本人も難しいです。


が、しかし

 

「申告納税制度」である日本は「正確な金額が分からないから課税出来ない」というヤリ得を許すほど甘くはありません。
むしろ正直者がバカを見ることがないよう脱税がヤリ損になるような仕組みが作られています。


国税には何の資料がなくても「収入を独自に推測して計算し、その数字に対して課税する」権限が与えられています。
これを推計課税と言い、脱税者は通常5年、悪意(故意)が認められたり、税務調査に非協力な場合は7年過去を遡って課税されます。


具体的にはキャバ・風俗嬢の場合は住居の電気料金や水道代、HPの出勤記録、ドライバーの送迎記録、海外渡航記録、クレジットカード履歴などを調べ上げ、同業種比率(過去の同業者達の脱税記録)等を用いてヤリ損になるように総売上高・損金・課税利益を算出し税額の計算を行います。
(因みに余談ですが、国税不服審査所の資料を漁る限り、最近では風俗嬢の収入は通信費…つまりガチャから推計するのが主流のようです。←この推測が怪しくなりました。追記参照)

 

・国は職業として認めてないから課税出来ない

風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律
第二条
6  この法律において「店舗型性風俗特殊営業」とは、次の各号のいずれかに該当する営業をいう。
一  浴場業(公衆浴場法 (昭和二十三年法律第百三十九号)第一条第一項 に規定する公衆浴場を業として経営することをいう。)の施設として個室を設け、当該個室において異性の客に接触する役務を提供する営業
二  個室を設け、当該個室において異性の客の性的好奇心に応じてその客に接触する役務を提供する営業(前号に該当する営業を除く。)

7  この法律において「無店舗型性風俗特殊営業」とは、次の各号のいずれかに該当する営業をいう。
一  人の住居又は人の宿泊の用に供する施設において異性の客の性的好奇心に応じてその客に接触する役務を提供する営業で、当該役務を行う者を、その客の依頼を受けて派遣することにより営むもの

 

結論から言えば、風俗産業関係者の大半はただ「自分がまだ」摘発されてないという事実を好き勝手に解釈しているだけです。
実際は、このように法が制定されており、摘発者もいるのが現実です。
更に悪い事に、この問題は

 

つまりキチンと確定申告すればいんでしょ?

という話で済ませられない面があります。


私のツイッターアカウントはDMを解放してますが、そこで毎日「店が税務署に届け出してないけど確定申告したらどうなるの?」「店に確定申告するな!と止められてる」「店長がそもそも税金の話を理解出来ないので、確定申告に必要な書類を貰えない」みたいなDMが届きます。


「店長が税金の話を理解しない」という問題は、毎日の収支をメモ書きして税務署に相談すれば「白色申告」という形態で確定申告を受け付けてくれますが、問題は「店が脱税してるから私も確定申告出来ない」です。


例えば風俗店が税務署に何も申告してない場合、風俗嬢が申告すれば芋づる式にその店の脱税が税務署に知れ渡ることになる…という不安はもっともです。
そして風俗店の脱税率は87%ですから「風俗嬢が確定申告しても困った事にならない」店のほうが少ない計算になります。


これについて実態は「税務署は風俗店の脱税は把握してるし、そもそも公安の届け出と付き合わせれば分かるのだが、数が多すぎて全ては摘発出来ない」というのが正解に近い(この推測を裏付ける資料はありません)ので、風俗嬢と風俗店の脱税摘発は連動してないと思いますが確証はありません。


一応、2016年6月13日に東京国税局西村さんに問い合わせてみましたが「店の事情がどうあれ確定申告の必要はある。しかし脱税摘発の基準は明かすことが出来ない」の一点張りでした。


繰り返しますが、性風俗産業は「そもそも産業として成り立ってない」のです。

 

これらの問題にある背景

ここまで読んで「でも、なんで従業員や自称有識者達はこれらの事情を問題にしないの?」と疑問を抱いた方もいると思います。


その答えの一つとしては「危険性に気付かない無知な方を店の責任者(店長等)に据え、摘発されたら責任を全て負わせて、新たな責任者を指名する」…所謂「雇われ経営者」という手法が常態化してるからです。

(因みに正真正銘の有識者の会議である内閣府男女共同参画局税制調査会において、この問題は何度も議論されてます)


これに対して警察は2011年、国税は2012年に「実質経営者」という書類上ではなく、実質的に経営を指示してる方を摘発出来る概念を開発し、これを打ち壊そうとしてますが、まだまだ健全化がされたとは言えない状態です。


ある意味、このような関係者が「無知」であることを前提にした産業構造こそが性風俗産業の最大の問題と言えるでしょう。

 

追記

「なんで脱税がバレるの?」という質問ですが、答えは「申告してない金を使うから」につきます。

 

国税は銀行等の金融機関だけでなく、光熱費、家賃、通信費、海外通貨両替、貴金属売買、古物売買、不動産…etcで動いた金を開示させる権限があり、日々それをデータ化し国税総合管理システムを用いて全国の税務署とネットワークで共有しています。

またデパートやホストクラブ等で現地調査することもあり、そこで得た情報もデータ化しています。

 

こういった資料を突き合わせれば「あの学生はバイトしてないけど、生活費や学費は何処から出てるんだ?」「ニートなのに、何故ホストクラブに行けるんだ?」「月給20万円のOLが何故ソシャゲに40万円つぎ込めるのか?」みたいな矛盾が浮かび上がるという仕組みです。

 

摘発されないのは、脱税がバレてないからではなく、単に国税職員のマンパワー不足で「脱税者全員を摘発出来ない」という理由に過ぎず、脱税摘発は「バレるか?バレないか?」ではなく「摘発されるか?されないか?」の問題です。

 

更に追記

 ガチャではなく、純粋に通信費を参考にしてるっぽいです

何かにつけて「ブスなのに…」と否定する女

Twitterでは日々「あの子はブスなのに何故モテる!?」「あのコスプレイヤーはブスなのに、なんでフォロワー多いの!?」「あの地下ドルはブスなのに、なんでファンに貢がれるの!?」的な無数の「ブスなのに…」ツィートが流れてきます。

 

この手のツィートする女は、とにかくブスがある種のステータスや幸福を手に入れてる事が納得出来ず「股が緩いからだろう」「フォロワーを買ってる」…等のズルを行っていると決めつけます。


しかし逆に考えてみて下さい。


はたして容姿がいいだけで無条件に「モテまくる」「フォロワーがつきまくる」「貢がれまくる」みたいな状況になると本当に思えますか?
私は「そんな事はありえない」と断言します。

 

女の人生は美醜により大きく左右される

人間の価値を語りたがる方は「人は見た目じゃない!中身が大事なんだ!人は中身で人を判断する!」と叫びますが、あれは真っ赤な嘘!…とまでは言いませんが、美醜の評価が人間内面の評価をも歪ませることを無視しています。


人間は美醜にかなりのウェイトを割く生物です。


人はどうしても美醜と中身を切り離して考えることは出来ず、人は美醜という色眼鏡をかけたまま他人の言葉や行動の意味をはかってしまいます。


例えば「美人は性格が良い」的な何の根拠もない言説が、まことしやかに語られていますが、コレは「美人は外見補正で性格もよくみられる」ということに他なりません。
(私自身コスプレイヤーとして、様々な美人と関わってきたうえで断言しますが「美人は性格いい」は全くのデタラメです!個人の主観ですが、これは真理であるとの確信があります)


人間…特に女においては美醜によって人生の難易度が大幅に変わる…これは間違いないありません。


が、しかし

 

人の美醜は容姿だけで決まるのではない

そもそも人はどうやって人間を「美人」と「ブス」に判別しているのかと言いますと、それは自分にとって「快」であるか「不快」であるかです。


極端な話、広瀬すずのような絶世の美女であっても、人に不快感を与えれば「ブス」ということになります。


「そんな馬鹿な!どんな態度を取ろうとブスはブス、美人は美人だ!」と思うかもしれませんが、事実として広瀬すずは「とんねるずのみなさんのおかげでした」にて「何で自分の人生を、女優さんの声を録ることに懸けてるんだろう」と視聴者を不快にさせる発言をしネット上で「何様だ、このブス!」と叩かれまくりました。


この「ブス」認定は、ある種の嫉妬や強がりが含まれてるのだと思いますが、それでも一時期ネット民の間では「広瀬すずはブスである」との認識が出来たのです。
これは一例ですが、皆様におかれましても

「パッと見は可愛いけど横柄な態度をとるし、言葉遣いが汚いし、なんだか凄く不快な女だ。んっ、もう一回よく見たらコイツ普通にブスだわw」

…的な経験はあるかと思います。


また逆の例として、AKB48なるアイドルグループで(2016年)一番人気があるのは「ドブス指原莉乃」という現実があります。
(私自身は指原莉乃をブスとは思いませんが、本人の意思と自称を尊重して「ドブス」と表現しています。繰り返しますが、私自身はブスとは決して思ってません


容姿は美醜の絶対基準ではなく、単なる美醜を構成する一要素に過ぎないのです。

 

ブスと美人の違いとは?

「奇跡の一枚」という言葉があります。
これはその人が最高に美しくなった瞬間をカメラに収めた一枚という意味であり、コスプレイヤー達は何百枚と写真をとり「奇跡の一枚」をネットにUPしネット民を欺きます。


しかし「逆奇跡の一枚」という最高にブサイクになった瞬間をカメラに収めた一枚という概念もあり、どんな美人でも必ず不細工になる瞬間というのは存在します。
(実際に広瀬すずも上記の炎上時は悪意のある「逆奇跡の一枚」を掲示板等に貼られまくりました)


人は自分が好感を持った相手には良いところを探そうとする一方、嫌悪感を持った相手からは悪いことを探そうとします。
これは容姿においても同様であり、人は自分が好きな相手には「奇跡の一枚=美しい一瞬」を見出し、自分が嫌いな相手には「逆奇跡の一枚=不細工な一瞬」を見出します。


オタクが「AKBはブスの集まり!」とイキりつつどう考えてもAKB以下のアレな女を美人と持て囃し「姫」として囲うのも、普段意識高いこと言いまくってる自称上級国民が合コンで程よく芋臭い女に執心するのも、この現象に他なりません。
(一例としてあげただけで、私はAKBをブスの集まりとは思っていません。マジでイキりオタク達のこの手の発言には常々失笑しております)


コレは「この女とセックス出来そう」的な期待感=好意が、目の前の女を「絶世の美女」にしているのです。


例として分かり易く男の下心で説明しましたが、当然ながらこれはセックスの期待に限ったことでありません。
「趣味があう」「共感出来るところがある」「話が面白い」「尊敬出来る技量がある」「自分に優しくしてくれる」等の好意によっても、この現象は発生します。


繰り返しますが、容姿は美醜を構成する一要素であり決定打ではないのです。


ブスと美人の違いは、つまるところ「快に思うか?不快に思うか?」という違いであり、それは容姿だけでなく、性格や振る舞いや社会規範や立場や属性によっても定義づけられます。
そもそも平安時代の美人の容姿が「しもぶくれ、細い目、おちょぼ口、小さい鼻」とされたように、実は容姿の美醜すらも社会の価値観と文脈によって定義づけられるものなのです。
つまるところ「美しい容姿」というのも、社会の価値観や文脈において「快に思うか?不快に思うか?」というところに還元されます。

 

「ブスなのに…」で止まる前に


とりあえず女の世界は「ブス!」と言っとけば、相手を貶められるので、やたらめったら「ブス」という言葉が多用されます。


しかしながら「ブス」というのはつまるところ「私にとって不快だ」の換言であり、「ブスなのに…」の本質は「私にとって不快なのに…」というある種の嫉妬に他なりません。
(尚、これには認知不協和もあると思います。認知不協和についてはコチラをどうぞ)


人間社会において美醜は容姿だけでなく、実に様々な要素から形作られます


つまり「ブスなのに…」という方は、容姿以外の要素を上手く利用して多くの人に「この人は私にとって快だ!」=「美人」認定されている可能性が高いです。
それを容姿という美醜の一要素だけで否定し、叩くことに何ら生産的な意味はありません。


「ブスなのに…」と思う方に遭遇した場合は安易なレッテルを貼る前に、本当にその方はブスなのか?どういう立場であれば美人に思えるのか?どこに人々が好感を抱くのか?を探ってみては如何でしょうか?
そうすれば貴方はより美しくなれることかと思います。

はてな互助会って何処にあるの?そこに入る(はてなブックマーク)以外でPV伸ばす方法はあるの?

三日前から、はてなブログを始めてみたもののPVが全く稼げない。

それでも今までは、適当に記事を書き続ければ、誰かしら読んで反応してくれるだろう…と楽観的に考えていたが、僅かに稼げたアクセスを解析をしてみると、重大なことに気付いてしまった。

 

アクセス元の9割以上がはてなブックマーク」経由なのだ。

これはブログの記事にはてなブックマーク」がつかない場合は、読者が私の記事に辿り着く方法は無くなってしまうということを意味している。

 

つまり「はてなブックマーク」がつかないということは、如何に面白いことや有益な記事を書いても誰も読んでくれない…というより記事にアクセス出来ないということだ。

 

ということは、はてなブックマーク」が0の方は永遠に「はてなブックマーク」がつかないのではないだろうか!?

 

数千とか数百とかはてなブックマーク」がついている方は、どうやって読者を集めたの!?

いや、それどころかはてなブックマーク」をつけられるような記事を書いているブロガーは、その「最初の一人」をどうやって見つけたの!?

どう考えてもおかしい…だって最初はみんなはてなブックマーク」が0ではないのか!?

はてなブックマーク0」の記事を「はてなブックマーク1」にするのは原理的に無理ではないのか!?

 

幸い、私は自分のはてなIDで自分の記事をはてなブックマーク」に登録することで、僅かばかりのPVを得る事に成功したが…そうじゃない方はどうやって「はてなブックマーク」をつけてくれる方を見つけたんだ!?

 

調べてみると、はてな互助会というブロガー同士が、お互いに記事をはてなブックマーク」に登録し合う仕組みがあるらしい

…が、新入りブロガーには、その仕組みを利用することすら叶わないではないか!

だって知り合いのブロガーが一人もいないわけだし…

 

誰か教えてくれ!

私以外のブロガーの皆様は、最初はどうやって記事にアクセスされたんだ!